【共同研究・連携事例】NEXTAGE社と東京理科大学 諏訪園さんとの共同プロジェクト開始!

この度、2025年04月に実施したアド・ベンチャーフォーラムにて申請があったアド・ベンチャー奨学金の中から、採択テーマを決定しました。
<採択テーマ>
テーマ名:本わさびの無菌組織培養系の確立による品種改良と安定供給への基盤構築
企業:株式会社NEXTAGE
研究者:東京理科大学 諏訪園 悠さん
以下は、学生からの奨学金申請内容です。
テーマ概要
ワサビは環境ストレスに弱く、安定生産が困難である。この問題の解決策に遺伝子組換え・ゲノム編集技術があるが、これら技術の前提に無菌状態での組織培養が必要である。しかし、ワサビ種子は扱いが難しく、植物体から組織培養が期待されているが、無菌状態の構築は極めて難しい。本研究では、無菌組織培養系を確立し、将来的な品種改良・安定供給に加え、独自性のある高付加価値株の創出を目的とする。
申請理由
日本食においてワサビは欠かせず、その文化的価値は非常に高い。近年では海外でも注目され、ワサビ農園が観光名所として紹介されるほどである。一方、日本人ですら本わさびを味わう機会は乏しく、市場流通量も非常に限られる。この「知名度と関心の高さ」に対する「供給の低さ」は大きな機会損失を生んでいる。
申請者は植物バイオテクノロジーを専門とし、この分野の技術で、このギャップを解決できるのではないかと考えた。
将来のビジョン
本活動では、ワサビの組織培養系の構築を最終目標とする。そのためのステップとして、まず通常環境で栽培されたワサビから無菌状態を確保するための消毒法を確立する。次に、無菌状態の植物片からの再分化を可能にする組織培養手法を確立し、安定的に植物体を再生できるプロトコルの構築を目指す。これにより、今後の遺伝子導入や品種改良研究の基盤を整備することを目的とする。