【共同研究・連携事例】Liberawareと東洋大学 山口さんとの共同プロジェクト開始

【共同研究・連携事例】Liberawareと東洋大学 山口さんとの共同プロジェクト開始

小型軽量ドローン搭載用の化学”リトマス紙”の開発

アド・ベンチャーフォーラムにて、出展企業との共同研究テーマを参加者から募集する「アド・ベンチャー奨学金」を実施し選考を経て、奨学金に採択されたテーマに基づく共同研究が開始されました。

採択テーマ

テーマ名:小型軽量ドローン搭載用の化学”リトマス紙”の開発

企業:株式会社Liberaware

研究者:東洋大学 山口 洋さん

以下は、学生からの奨学金申請内容です

連携内容

下水道や工場タンク内、排水処理施設内には硫化水素等のガスが存在していることがあり、作業員の死亡事故につながることがある。そこで作業者の安全性を担保するために、揮発性硫黄化合物を検出できる“リトマス紙”を小型ドローンに搭載し、遠隔的に検出するシステムの検証をする。本提案でこの“リトマス紙”として、軽量表面増強ラマン分光法用基板を用い、フライト後にラマン分光器で読み取りを行う。

申請理由

提案者の所属している研究室は、大量生産可能なSERS基板を開発し、その揮発性硫黄化合物に関する検出性能は市販品より優れていることを報告している。さらに亜硫酸ガスやメルカプタンを対象物として研究を進め、小型ドローンに搭載可能な軽量基板(0.1 g)の開発に成功している。次のステップとして現場検証を考えている中、アドベンチャーフォーラムでLiberaware殿との意見交換をしたことで、我々の発想の実現に手ごたえを感じ、連携して進めたいと考えた。

将来のビジョン

既に、軽量なSERS基板の開発は終了し、小型ドローンに搭載可能であり、さらに実際に揮発性硫黄化合物を検出できることも確認済みである。しかし、実験用の模擬下水管に関して、大学の研究室で準備できるのは一片が数十cm程度の空間であり、より大きい容器を準備することは難しい。 そこで次の開発ステージでは、一片が1 m以上の空間をターゲットガスで充満して、ドローンを飛翔させる。なぜなら下水管では、硫化水素は底面近くでよどんで存在していると予想され、ドローンの飛翔高度や、ローターの後流が硫化水素の空間分布に大きな影響を与えると考えられる。以上を踏まえ、これに近い状態を再現し、軽量SERS基板の搭載方法(①ローター表面、②本体表面、③1 mほど下に吊り下げる、④水平方向に数10 cm 以上離す、等)を比較し、検出限界濃度およびに必要な曝露時間に関する情報を得ることを目標とする。また、実際の現場で飛翔させ、潜在的問題点を洗い出すことも目標とする。

今後の計画

活動計画

A 自分たちのドローンで搭載方法の比較

大学で実施可能な活動目標④の方式で測定を試みる。(12月中旬~12月下旬)

B Liberaware殿のドローンで試行実験

カセットボンベのガス(付臭剤)等を飛行中に検出できるか確認する。(1月上旬から2月上旬)

C 実際の現場での測定

硫化水素等、揮発性ガスが存在していそうな場所における検証。(2月中旬以降)

【参加パートナー企業募集】

アド・ベンチャーフォーラムでは出展企業を募集しています。ご興味・ご関心がございましたら、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ

jaJapanese